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『メトロ:ラストライト/Metro: Last Light』【ゲームレビュー】 最新作「メトロ:エクソダス」に備えて初見プレイ

 

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「メトロ」シリーズはウクライナのディベロッパーが手がける、核戦争後のロシアを舞台にしたサバイバルFPSです。2010年に一作目「2033」、そして2013年に二作目「ラストライト」が発売されています。

 

そしてシリーズ最新作となる「エクソダス」が海外で2019年2月22日(現時点で日本発売に関してはアナウンスされていない)に発売が予定されています。ということで過去二作がPS4、XboxOne向けに高画質化された同梱版「メトロ:リダックス」をプレイしました。

 

この記事では、二作目「ラストライト」の方に焦点を当てて前作同様に良かった点、前作からグレードアップされている点に分けてレビューしていきたいと思います。

結論から言うと、ストーリー性の強いFPSシューターをやりたい人、シューターだけどじゃんじゃん撃ちまくるよりぎりぎり感じでサバイブしたい人、廃墟探索が好きな人には強くオススメしたいタイトルです!

 

 

1.「2033」を含めた本シリーズの魅力

 

1-1.「メトロ」といったら「フィルター交換」!地上こそが地獄

 

シリーズの中でのモスクワでは、地上はどこも放射能に汚染されていて、しかもその影響で突然変異を起こしたクリーチャー(「ミュータント」)が跋扈している状況。なので生き残った人間たちは、薄暗い地下鉄の駅での生活を余儀なくされています。

 

しかしメトロの自治組織オーダーの一員である主人公のアルチョムは、モスクワの存亡をかけた役割を負って冒険に出なければならない。地下では大丈夫だけど、地上に出る時はガスマスクを装着します。

 

このガスマスクのシステムが、他のサバイバルゲームにはあまりない独特の緊張感を与えています。ガスマスクが機能するには頻繁なフィルター交換が必須。フィルター残量は時間に換算されてて、なくなった時点で死んじゃいます。フィルターは基本現地調達。

弾薬も足りないしゆっくりマップ探索したい。でもそうはいかない。地上を探索するときには、迷いを捨てて歩み続けなきゃいけないことが最大の困難になってきます。

 

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瀕死のダメージを負いながら、しかもあと1分(画面右下のフィルターアイコン)で戦闘にカタをつけなければいけない。まさに絶体絶命…

 

グラフィックで示す以上に、このシステムが主人公たちの置かれた世界の厳しさを伝えてくれます。ゲームプレイにほどよい負荷をかけることで、その世界を旅してる感を演出してる。

 

1-2.戦闘アクション時の武器選択が楽しい!

 

結局いろんな局面をカバーできる武器ばっか使って宝の持ち腐れになっちゃうのは、シューティングゲームによくあることじゃないでしょうか。僕なんかは下手くそなんでそうなんだけど、瞬時に武器選択を判断してスマートに戦闘できたらなーって思っても難しい。

 

そんな人でも「メトロ」をやるとバリエーション豊かな戦闘が体感できると思う。敵キャラは大きく分けて、対人間と対クリーチャー。

人間と戦うときには、いかにステルスよりで安全な位置から倒していくかが大事です。ほぼほぼ無音で射撃できる空気銃なんかも登場します。クリーチャーに対しては真逆。奴らは基本猪突猛進で突っ込んでくるので、うまくフィールドを動き回りながらショットガンとかで仕留めていきます。

 

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人間とは違って、クリーチャーの行動はまさに無慈悲。照準を定めるだけでも一苦労です。

 

プレイヤーの上手い下手ではなく、ゲームのつくりとして自ずと多様なアクションを体感させてくれるというのがスバラシイ!

 

1-3.廃墟となったモスクワがとにかく美しい…絶景の数々

 

以上のようにゲームのシステム面は大事なのだけど、そのゲームの中でどんな風景に出会えるかが、やっぱり僕にとって一番の楽しみ、というのかゲームをやる理由なのかなと思う。グラフィックの面。

 

「メトロ」の中のモスクワの街の風景は、その場のヒンヤリして澄みきった(でも実際は人間にとって毒でしかない)空気が伝わってくるほどリアルです。ジメッとしてて人間の垢がへばりついたみたいな地下空間との対比がそうさせているのかも。

 

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マスクについた水滴で景色が霞んで見える、「メトロ」独特の表現。

 

2.「ラストライト」でグレードアップしたところ

 

2-1.よりドラマチックに転換していく戦闘マップ

 

「ストーリードリブン」ってよく耳にするけどどういうことかよくわかんない言葉だなと思うんですが。でも本作をプレイする中で、なるほどこういうことなのかっていう時が何度かありました。「2033」のころから戦闘はすごい楽しかったのだけど、本作と比較するとちょっと味気なく感じてしまう。そんくらい戦闘に臨場感が増されてると思う。

 

それを一番感じたのが、共産主義者によって焼き討ちにあったメトロの街中を進んでいくシーン。マップ内では住人の死体がいたるところに転がり、燃え盛る炎が索敵の邪魔をします。プレイヤーは戦闘をこなし生き抜いてく中で自ずと、物語が取り返しのつかない方向に突き進んでしまってしまったのだということを知らされます。

 

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例えばカットシーンとかではなく、プレイヤーがマップの自由な探索を通していろいろ発見していく中で、ストーリーの進行をびしびし感じられるのは素敵だなーと思う。

 

2-2.メトロの駅がいきいきと描かれている

 

前作の駅にある街って、言ったら弾薬を補充するとこって感じだったと思う。少なくともその風景と生きてる人たちにそれほど個性があるとは言えなかった。そこが「ラストライト」では大幅に改善。

廃車になった電車内を住宅として活用してるところがあったり、水上都市のように水路が張り巡らされてあったり。主におっさんたちが群がるいかがわしいお店を抱えてる街もあったりします。

 

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どんなに殺伐とした世界でも憩いの場は必要。

 

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最も印象的だった駅、「ヴェニス」。

 

前作での地下街って、一言で言ったらさっさと作業を済ませたら通り過ぎてく匿名の場所だった。けど「ラストライト」では、探索の要素があるわけでもない場所をくまなく見てくっていう、無駄と思われることを無駄に終わらせない魅力があります。それをすることでまた少しその世界について知れたような気にしてくれる。

 

3.最後に、次回作「エクソダス」ではロシア横断も夢じゃない??

 

さて、いろいろと書いてきましたけど、「2033」の時点で独特の雰囲気のあるゲームだなとは思ってたんだけど、二作目の「ラストライト」で完全に心を持ってかれました。「エクソダス」をプレイするのが非常に楽しみになってくる(そんな待たせることなく日本語版もきっと出してくれるはず!)。いまのとこデモプレイのレビュー記事によると、いくつかの追加要素が予想されます。

 

・武器改造が現地でも行えるようになった

・ゲームの進め方によっては、ストーリーの目的地やルートが変わったりする

・機関車に乗ってモスクワを飛び出して旅をすることに!

 

参考記事:

核戦争後の終わった世界を装甲機関車“オーロラ号”がゆく。サバイバル力が問われるFPS『Metro Exodus』プレイリポート【E3 2018】 - ファミ通.com

[E3 2018]「Metro Exodus」のデモ版をプレイ。新天地を探しMetroを出たArtyomの物語が,ハイクオリティのグラフィックスで描かれる - 4Gamer.net

 

いやー、非常に楽しみ!「メトロ」シリーズは他のFPSゲームの中でもストーリー性が重要なゲームだと思うけど、そことの両立がどうなっていくのか気になるところですね。